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【概要】
✔中大脳動脈(MCA:middle cerebral artery)
✔内頚動脈から分岐
✔大脳半球外測の大部分、前頭葉、頭頂葉、側頭葉に分布、一部は前頭葉の眼窩面に分布
✔シルビウス裂内を走行し島皮質を含めた多数の皮質を栄養
☆セグメント
✔︎横(M1)→縦(M2)→横(M3)→縦(M4)と覚えると覚えやすい
・M1:内頚動脈から起始から蝶形骨小翼を後方でシルビウス谷を外走する部分
・M2:島皮質最下部で屈曲しつつ複数枝に分岐し、シルビウス裂内を島皮質に沿って上行する部分
・M3:島皮質表面から離れて弁蓋部を縁取るように外走し、シルビウス裂から脳表に出るまでの部分
・M4:大脳半球外表の皮質に分布する部分
☆血管支配
✔脳梗塞など、画像所見があった際に横断像で中大脳動脈が責任病変であることを指摘するために重要な知識
✔MRAやCTAなどの元画像を見ながら確認する習慣をつけておくとよい
☆M1とM2の分岐部について
▶M1は島皮質の下部で複数の枝(2本もしくは3本)に分かれる
▶ 2本の場合: superior trunk(オレンジ) 、inferior trunk(青) 、分岐部はbifurcaion(緑)
▶ 3本の場合:upper trunk、middle trunk、lower trunk、分岐部はtrifurcation
▶分岐部は脳動脈瘤の好発部位(脳動脈瘤の記事参照)
☆補足事項&データベース
▨正常変異
〇窓形成 fenestration:
分岐→合流することによってリングを形成する
✔血管造影の研究で0.17~0.43%
✔剖検で0.02~1%
[文献1]
〇副中大脳動脈 Accesory MCA:
ACAからMCAの支配領域に枝が出る
✔剖検と血管造影の研究で0.3~4%
[文献1]
〇重複中大脳動脈 DMCA(duplication of the middle cerebral artery)
TypeA:ICA分岐部から重複したもの
TypeB:MCAとは別に前脈絡動脈と内頚動脈分岐部の間から重複血管が出たもの
✔剖検の研究で0.7~2.9%
✔血管造影の研究で0.24~1.5%
[文献1]
〇M1-M2分岐部について
[文献2]Table1.より引用
・Bifurcation:分岐が2つの枝
✔86.2%
・Trifurcation:分岐が3つの枝
✔13.8%
[文献2]
☆参考書籍
[書籍1]秀潤社 脳MRI 1.正常解剖 第2版 高橋昭喜
☆参考文献
[文献1]Nebojša N Stojanović et al.BMC Neurol. 2020 Jan 4;20(1):3.
[文献2]P Brzegowy et al.Folia Morphol (Warsz). 2018;77(3):434-440.