前大脳動脈(ACA)の解剖

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前大脳動脈ACAの解剖とセグメント

☆前大脳動脈

ACA:anterior cerebral artery

✔内頚動脈から分岐し、

前頭葉や頭頂葉の内側面を栄養

✔左右は前交通動脈で連結される

(Acom:anterior communicating artery)

✔眼窩枝、前頭枝、頭頂枝に分かれる

☆前大脳動脈のセグメント

▨A1:水平部(horizontal segment)

内頚動脈の終末分岐から、視交叉の上方を水平に内走する部分

※Acom:前交通動脈(anterior communicating artery)

A1の遠位端で対側の前大脳動脈と吻合する血管

▨A2:脳梁下部(infracallosal segment)

A1から終板槽内を前上方に向かう部分

▨A3:脳梁前部(precallosal segment)

脳梁膝部の前を後上方に回る部分

▨A4:脳梁上部(supracallosal segment)

脳梁体部上を後走する部分

※これをさらに前部(A4)と後部(A5)に二分する分類もある

☆血管の走行のパターン

☆前大脳動脈の穿通枝

✔前大脳動脈の穿通枝が支配する領域として特に重要なのが尾状核頭部

✔おおまかな支配領域であるが、

下からスライスを上に読影し、前交連が通る断面はHeubner反回動脈が支配、

モンロー孔が通る断面は内側線条体動脈(MSA)が支配、

被殻上部の断面は中大脳動脈からの穿通枝である外側線条体動脈(LSA)が支配する

☆正常変異・破格

▨低形成( hypoplasia )・形成不全(aplasia)

・左はA1セグメントの欠損の症例

・右は前交通動脈(Acom)の欠損の症例

✔通常は臨床上問題となることはないが脳梗塞になった際に側副路の役割を果たせず重篤化する可能性がある

▨窓形成(fenestration)

✔水平部が部分的に2本になって再び1本になるもの

✔水平部の遠位側(正中寄り)に多い

✔角度によっては動脈瘤に見えるため注意

✔鑑別のために高分解能撮影が有効な場合がある

▨前大脳奇動脈(Azygos ACA)

✔前交通動脈から単一の血管が起始して末梢側で左右に分岐するもの

✔分岐する部分で動脈瘤が形成されやすい

✔Azygos=単一のという意味

✔TypeⅤはtripleACA、thirdACA、midianACAなどと呼ばれる

⭐️参考書籍・参考文献

[書籍1]秀潤社 脳MRI 1.正常解剖 第2版 高橋昭喜

[書籍2]画像診断別冊KEY BOOKシリーズ よくわかる脳MRI   青木茂樹他

[文献1]Karen CILLIERS et al.Turk Neurosurg 26(5): 653-661, 2016

[文献2]Kumral et al.Stroke. 1999;30:100-108.

[文献3]Sandhya Arvind Gunnal et al.Neurology Asia 2013; 18(3) : 249 – 259

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